白内障手術後の嚢胞様黄斑浮腫治療としての非ステロイド性抗炎症薬

著者の結論: 

本レビューでは、局所用NSAID(0.5%ケトロラクトロメタミン点眼液)は慢性CMOに対して好ましい効果があることを示した試験2件、および各比較群間に有意差がないことを明らかにした試験2件を得た。このように、急性および慢性CMOにおけるNSAIDの効果は依然として不透明であり、さらなる研究が必要である。

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背景: 

嚢胞様黄斑浮腫(CMO)は、拡張した毛細血管からの漏出に起因する中心網膜(黄斑部)の液体貯留である。白内障手術後の不良な視力アウトカムの最大の原因である。正確な原因は不明である。4か月間未満持続する浮腫と定義される急性CMOはしばしば自然に回復する。4か月間以上持続するCMOは慢性CMOと呼ばれている。CMOの治療には様々な種類の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が使用されており、これは局所的にも全身的にも投与される。

目的: 

白内障手術後のCMO治療におけるNSAIDの有効性を評価する。

検索戦略: 

CENTRAL(Cochrane Eyes and Vision Group Trials Registerを含む)(Cochrane Library2011年、第7号)、MEDLINE(1950年1月から2011年8月まで)、EMBASE(1980年1月から2011年8月まで)、Latin American and Caribbean Health Sciences Literature Database(LILACS)(1982年1月から2011年8月まで)、metaRegister of Controlled Trials(mRCT)(www.controlled-trials.com)(2011年8月)、およびClinicalTrials.gov (www.clinicaltrials.gov)(2011年8月)を検索した。同定した試験の参考文献一覧を検索した。1975年から2011年までのAssociation for Research in Vision and Ophthalmology(ARVO)の 学会抄録(白内障関連のセッション)を検索した。既発表および未発表の試験の詳細について、この領域の専門家およびNSAID製造業者に問い合わせた。試験の検索において言語またはデータの制限は行わなかった。2011年8月5日に電子データベースを最終検索を行った。

選択基準: 

白内障手術後のCMO治療におけるNSAIDの効果を評価しているランダム化比較試験(RCT)を選択した。

データ収集と分析: 

レビューア2名が独自にデータを抽出した。各研究間にかなりの異質性が認められたため、メタアナリシスは実施しなかった。

主な結果: 

合計で266例の参加者が含まれる試験7件を選択した。4件の試験が慢性CMOにおけるNSAIDの効果を調べ、他の3件は急性CMOにおいてNSAIDの効果を調べていた。慢性CMOに関する研究のうち、1件の研究では参加者120例を登録していたが、残りの研究の参加者は34例以下であった。4種類の異なるNSAIDが使用され、異なる方法で投与されていた。1件の試験ではインドメタシンが経口投与され、慢性CMOには効果のないことが判明している。別の小規模試験では、局所用フェノプロフェンは慢性CMOに有効と思われたが、統計学的に有意ではなかった。2件の試験において、局所用0.5%ケトロラクによる治療は慢性CMOに対して有効であると判明した。試験3件では急性CMOに対する局所用NSAIDの効果を調べている。これらの研究では、NSAIDとプラセボ、プレドニゾロン、または別のNSAIDとの比較が行われた。試験デザインは研究間で他の重要な側面に差異があり、そのためメタアナリシスで統合することはできなかった。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2012.6.19

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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