オゾンによるう蝕治療

著者の結論: 

利用可能な研究においてバイアスの危険が高いことと、様々なアウトカムの評価の間で一貫性が欠如していることから、う窩を有する歯面において、う蝕形成の停止や再石灰化のためにオゾンガスを使用することにおける信頼しうるエビデンスはない。オゾンを使い始める前に、オゾンがう蝕の初期治療として主流となりうるか、またう蝕の管理や治療にとって従来の治療法の代替療法となる可能性を考慮するため、適切で厳密な、そして質の良いより多くのエビデンスが根本的に必要である。

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背景: 

う蝕は、歯面の脱灰を特徴とする細菌の関与した疾患で、う窩の形成、不快症状、疼痛、ひいては歯の喪失を引き起こすものである。オゾンは試験管内では一部の細菌に対して有毒で、う蝕病変にオゾンを暴露することでう蝕原性細菌の数が減少するかもしれないということが示唆されてきた。もしかすると、このことにより病変の進行停止が可能で、フッ化物の存在下においては再石灰化が起こるかもしれない。言い換えれば、「切削や充填」といった従来の歯科保存治療を遅らせるか、回避できるかもしれない。

目的: 

オゾンがう蝕進行を停止するまたは再石灰化させることにおいて効果があるかどうかを評価すること。

検索方法: 

本レビューでは、the Cochrane Oral Health Group's Trials Register(2003年11月7日まで);Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ,2003年3号);MEDLINEとPREMEDLINE(OVIDを利用,1966年~2003年11月まで);EMBASE(OVID利用,1980年~2003年11月まで);CINAHL(OVID利用,1982年~2003年11月まで);AMED(OVID利用,1985年~2003年11月まで)を検索した。2002年度分のクインテッセンス誌をハンドサーチし、さらなる公表されているまたは未公表の試験のためにHeal Ozoneの製造元であるKaVoにコンタクトをとった。

選択基準: 

採用の可否は、少なくとも2名のレビューアによって別々に評価された。以下の条件を満たした場合のみ、試験は組み入れた:ランダム化比較試験;オゾンを適用できるような口腔内の1歯面のう蝕病変;明確な割り付けの隠蔽化;介入群において病変へオゾンを適用している;コントロール群へのオゾンを適用していない;アウトカムの測定は少なくとも6か月後。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に情報を評価した。比較可能なデータの不足のため、組み入れられた研究をメタアナリシスのために統合することはできなかった。

主な結果: 

432のランダム化された病変(137人の被験者)を含む3つの試験が組み入れられた。42の学会発表、抄録、そしてポスターは、実際には何件の研究に基づいていたのか不明だったので、除外した。すべての研究において、バイアスのリスクは明らかに高かった。3つすべての研究の分析は病変ごとのレベルで行われており、これは被験者から独立した事象ではないので、データの統合は不適切であり、また行われなかった。それぞれの研究において、オゾンのう蝕に対する効果は、う蝕の進行または再石灰化についての異なった評価法のいたるところで、一貫性がなかった。副次アウトカムほとんど報告されていないが、1つの試験が有害な事象のなかったことを報告している。

訳注: 

監  訳: 佐野 哲也,内藤 徹,JCOHR,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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