水晶体後嚢混濁予防のための介入

著者の結論: 

エッジが丸いIOLレンズとエッジが鋭いIOL光学部の間では非常に有意な差があるため、エッジが鋭いIOL(後方)光学部を優先すべきである。光学材料の間で明らかな差はない。術後抗炎症療法の選択はPCO発症に影響を与えないようである。

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背景: 

水晶体後嚢混濁(PCO)は依然として白内障手術後の最も一般的な長期合併症であり、Nd:YAGレーザー皮膜切開術により治療できる。しかし、この方法は他の合併症に結びつくことがあり、レーザー治療は大部分の発展途上国で利用できない。それゆえ、多くの研究が、PCO発症に影響を与える因子を見いだそうとしている。

目的: 

PCOを抑制するための様々な介入の効果を要約する。これらには外科的手法や眼内レンズ(IOL)デザインの改変、追加デバイスの植え込みおよび薬理学的介入などがある。

検索戦略: 

CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、LILACSを2009年3月に検索し、同定された試験報告の参考文献リストを検索した。

選択基準: 

追跡期間が12カ月以上の前向きのランダム化比較試験(RCT)のみを選択した。介入には、PCOを明確に抑制する外科的手法の改変、IOLデザイン(材料や幾何学)の改変、追加デバイスの植え込み、薬理学的療法などを選択し、これら介入間、あるいは、プラセボまたは標準的治療と比較した。

データ収集と分析: 

データを抽出し、RevManに入力した。視力データ、PCOスコアおよびYAG皮膜切開術発生率を比較し、可能な場合にはメタアナリシスを行った。

主な結果: 

本レビューにおいて66件の研究を選択した。レビューは3部に分けられた。1.IOL光学材料のPCO発症に対する影響。ヒドロゲルIOLで他の材料よりもPCOスコアが高く、シリコンIOLで低い傾向があるものの、様々なIOL材料(ポリメタクリル酸メチル[PMMA]、ヒドロゲル、疎水性アクリル、シリコン)の間でPCO発症に有意差はなかった。2.IOL光学デザインのPCO発症に対する影響。エッジが鋭いIOLでエッジが丸いIOLよりも、PCOスコアが有意に低く(-8.65(-10.72~-6.59)、尺度0~100)、YAG皮膜切開術発生率も有意に低かった(0.19(0.11~0.35))。しかし、1ピースIOLと3ピースIOLの間に差はなかった。3.外科的手法や薬物のPCO発症に対する影響。イムノトキシン(MDX-A)による治療でPCO発生率が有意に低かったことを除いて、様々なタイプの術中/術後抗炎症療法間で有意な差はなかった。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2010.11.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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