2型糖尿病に対する漢方薬

依然としてインスリン非依存性糖尿病の治療に対する漢方薬について確固たるエビデンスが待たれている。特に東洋において糖尿病治療に対する生薬の使用は長い歴史があるが、最新のエビデンスは臨床診療においての日常的な使用を裏付ける根拠となるものではない。この系統的レビューでは、2型糖尿病患者の治療用の様々な薬草製剤 (単一の薬草もしくは異なる薬草の混合物を含む) の効果を評価している。このレビューでは、糖尿病患者において一部の生薬が血糖を低下させ症状を軽減することが立証されている。しかしながら、これらの生薬を評価する臨床試験の方法論的な質は全体的に不十分である。これらの解析によって肯定的な結果を示した試験が過大視された効果と関連している可能性がある。しかしながら、この試験では有意な有害作用は報告されなかった。結論として、我々が科学的に根拠の確かな試験を得るまで、2型糖尿病患者において生薬の日常的な使用が推奨されるべきではない。よくデザインされた大規模な臨床試験で生薬が検証されることが、それらを使用するために必要なエビデンスを確立するために必要である。

著者の結論: 

いくつかの生薬は、2型糖尿病に対して血糖降下作用を示している。しかし、方法論的質が低く、対象者数が少なく、試験の数も限られていることから、これらの所見は慎重に解釈すべきである。陽性所見がいくつか観察されたことに照らして、いくつかの生薬は高品質の試験でさらに検討する価値がある。

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背景: 

伝統的な漢方薬が糖尿病の治療に長期にわたって使用されており、これらの効果を調査するために多くの試験が行われている。

目的: 

2型糖尿病患者に対する漢方薬の効果を評価すること。

検索戦略: 

次の電子データベースを検索した:Cochrane Library(CENTRAL)、Chinese BioMedical Database、MEDLINE、EMBASEおよびLILACS。中国の雑誌と会議録のハンドサーチも行った。言語に制限を設けなかった。

選択基準: 

生薬(治療期間は2カ月以上)とプラセボを比較したランダム化試験を選択し、薬理学的介入または非薬理学的介入を採用した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立してデータを抽出した。ランダム化、割付けのコンシールメント(隠蔵化)、二重盲検性および脱落率のパラメータを用いて試験方法の品質を評価した。データが利用可能な場合にメタアナリシスを行った。

主な結果: 

患者8,302名を対象とした66のランダム化試験が採用基準に適合した。試験方法の質は、全般的に低かった。採用した試験では、69の生薬が検討されており、プラセボ、血糖降下薬、または生薬と血糖降下薬の併用と比較されていた。 プラセボに比べ、ホーリーバジル葉、Xianzhen Pian、Qidan Tongmai、伝統的漢方処方(TCT)、Huoxue Jiangtang PingzhiおよびInolterは有意な血糖降下作用を示した。 グリベンクラミド、トルブタミドまたはグリクラジドなどの血糖降下薬に比べ、Bushen Jiangtang Tang、合成Trichosanthis、Jiangtang Kang、Ketang Ling、Shenqi Jiangtang Yin、Xiaoke TangおよびYishen Huoxue Tiaoganなどいくつかの生薬は有意に良好な代謝調節作用を示した。 生薬と血糖降下薬の併用を評価した29の試験では、15種類の生薬製剤が血糖降下薬単独よりもさらに良好な効果を示した。食事内容と行動の変更を併用した2つの生薬療法は、食事内容と行動の変更だけの療法よりも良好な血糖降下作用を示した。生薬による重篤な有害作用は報告されていなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2015.12.29]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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