アルコール性肝炎またはB型/C型肝炎に対してオオアザミを支持または否定するエビデンスはない

オオアザミ(Silybum marianum (L) Gaertneri)抽出物は、古代ギリシアの時代から治療薬として用いられてきた。アルコールおよび肝毒性ウイルスは、肝疾患の主要な原因である。いくつかの試験において、肝疾患を有する患者を対象にオオアザミの効果が検討されている。本システマティックレビューでは、すべての試験を統合した場合、または質の高い試験を統合した場合のいずれでも、アルコール性肝炎またはB型/C型肝炎の患者の死亡率および肝疾患合併症に対するオオアザミの有意な効果を示すことはできなかった。質の低い試験では有益な効果が示唆された。オオアザミとプラセボを比較した質の高いランダム化臨床試験が必要である。

著者の結論: 

本レビューの結果、アルコール性肝炎またはB型/C型肝炎の患者に対するオオアザミの有益な効果は懐疑的で、この介入を支持する質の高いエビデンスが不足していることが強調された。オオアザミとプラセボを比較する、実施・報告が適切なランダム化臨床試験が必要である。

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背景: 

アルコールおよび肝毒性ウイルスは大多数の肝疾患の原因である。オオアザミ(Silybum marianum (L) Gaertneri)の抽出物がアルコール性肝炎またはB型/C型肝炎の患者に有効であるかどうかがランダム化臨床試験によって評価されている。

目的: 

オオアザミまたはオオアザミの成分をプラセボまたは介入なしと比較した場合にアルコール性肝炎またはウイルス性肝疾患(B型肝炎およびC型肝炎)の患者に与える有益な作用および有害な作用を評価すること。

検索方法: 

Cochrane Hepato-Biliary Group Controlled Trials Register、The Cochrane Central Register of Controlled Trials、MEDLINE、EMBASEおよび原著論文の検索を統合した(2003年12月)。製造業者およびこの分野の研究者に問合せを行った。

選択基準: 

アルコール性肝炎またはB型/C型肝炎(急性および慢性)の患者を対象としたランダム化臨床試験のみを組み入れた。介入はあらゆる用量および投与期間のオオアザミとし、プラセボまたは介入なしと比較した。試験は二重盲検、単盲検または非盲検であった。未発表または既報の試験とし、言語の制約は設けなかった。

データ収集と分析: 

主要アウトカムは死亡率であった。二値アウトカムは95%信頼区間(CI)を示した相対リスク(RR)で報告する。方法の質に関するサブグループ解析を実施した。

主な結果: 

13件の臨床試験で、アルコール性肝炎またはB型/C型肝炎の患者915名を対象にオオアザミを評価した。方法の質は低く、割付の隠蔽化が適切であったのはわずか23%で、二重盲検化が適切であったのはわずか46%であった。オオアザミをプラセボまたは介入なしと比較した場合、死亡率(RR 0.78, 95% CI 0.53〜1.15)、肝疾患の合併症(RR 0.95, 95% CI 0.83〜1.09)および肝臓の組織所見に対する有意な効果は認められなかった。すべての試験で、オオアザミによって肝臓関連死亡率が有意に低下した(RR 0.50, 95% CI 0.29〜0.88)が、試験の質は高くなかった(RR 0.57, 95% CI 0.28〜1.19)。オオアザミは、有害事象リスクの有意な増加と関連していなかった(RR 0.83, 95% CI 0.46〜1.50)。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.1.28]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
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