胎児健康状態検査の促進を目的とした母親に対するブドウ糖投与

出産前の母親へのブドウ糖投与が胎児の健康状態検査の効果を増すというエビデンスは認められていない。 胎児の健康状態をチェックするため、超音波検査及び心拍数測定など胎児に関する検査を実施する。胎児の睡眠時間では上記結果が異なってくるため、各種方法を用いて胎児を覚醒させる。出産前の母親へのブドウ糖投与は上記方法の一つである。参加者708名を対象とする2件の試験のレビューでは、この方法が有効であるとはみなされなかった。出産前の母親へのブドウ糖投与に関する研究では、依然として利益が実証されていない点を考慮すべきである。

著者の結論: 

出産前の母親へのブドウ糖投与後、胎児心拍数陣痛図においてnon-reactive(要注意状態)の事象を減らすことはなかった。さらに上記事実を実証し、最適用量のみでなく、胎児心拍数陣痛図及びその他の胎児の健康状態検査を併せたブドウ糖投与の有効性、予測信頼性、安全性及び周産期アウトカムを判定するには、さらに試験を実施する必要がある。

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背景: 

出産前の母親へのブドウ糖投与により、分娩前胎児心拍数検査の有効性が高まることが示されている。

目的: 

本レビューの目的は、胎児健康検査と併せた出産前の母親へのブドウ糖投与の長所と有害作用を評価することであった。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年7月6日)を検索した。

選択基準: 

胎児健康検査と併せた出産前の母親へのブドウ糖(経口又は静脈内)投与を評価する、全ての発表済み及び未発表のランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にデータを抽出し、試験の質を評価した。さらなる情報を得るため、発表済み及び未発表の試験の著者と連絡をとった。

主な結果: 

参加者708名を対象とする計2件の試験を組み入れた。出産前の母親へのブドウ糖投与により、出産前の胎児心拍数陣痛図においてnon-reactive(要注意状態)の事象が減ることはなかった。

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