妊娠糖尿病の治療

著者の結論: 

軽度GDMに対する食事指導およびインスリンなどの特定の治療は、母体および周産期の罹病率リスクを軽減させる。しかし、分娩誘発リスクの上昇を伴う。経口薬およびインスリンなどの異なるタイプの集中治療が及ぼす個々の短期的および長期新生児アウトカムへの影響を評価するために、さらに多くの研究が必要である。

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背景: 

妊娠糖尿病(GDM)は、全妊婦の3%~6%でみられる。女性は頻回の産科的モニタリング、食事療法、インスリンにより集中的に頻繁に管理される。しかし、集中治療を裏付ける妥当なエビデンスはない。臨床医および消費者にとっての重要な関心は、GDM治療によって周産期アウトカムが改善されるかどうかである。

目的: 

母体アウトカムおよび乳児アウトカムの両者に対するGDMの代替治療方針の効果を比較する。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2009年1月)および関連性のある論文の文献を検索した。

選択基準: 

GDMおよび妊娠耐糖能異常のある女性に対する代替管理療法を比較しているランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアおよびCochrane Pregnancy and Childbirth Groupの編集チームの一員が独立にデータを抽出しチェックした。不一致は第3の著者との議論を通じて解消した。

主な結果: 

8件のランダム化比較試験(女性1,418例)を含めた。参加者1,255例を対象とした5件の試験からのデータを用いて特定の治療とルチーンの妊娠管理を比較したところ、帝王切開率に有意な差を認めなかった(リスク比(RR)0.94、95%信頼区間(CI)0.80~1.12)。しかし、GDMに対する治療法として経口血糖降下薬をインスリンと比較した結果、帝王切開率が有意に減少した(RR0.46、95%CI 0.27~0.77、2件の研究、参加者90例)。集中治療(食事指導とインスリンを含む)は、ルチーンの妊娠管理と比較して子癇前症リスクを軽減させた(RR 0.65、95%CI 0.48~0.88、1件の試験、参加者1000例)。特定の治療を施すことにより多くの女性が、ルチーンの妊娠管理と比較して、分娩が誘発された(RR1.33、95%CI 1.13~1.57、2件の試験、参加者1068例)。周産期罹病率の複合アウトカム(死亡、肩甲難産、骨折、神経麻痺)は、ルチーンの妊娠管理と比較して軽度GDMに対して集中治療を受けた女性で有意に減少した(RR0.32、95%CI 0.14~0.73、1件の試験、乳児1030例)。ルチーンの妊娠管理と比較してGDMに対して特定の治療を受けた母から生まれた新生児は、体重が4000グラムを超える新生児の割合(RR 0.46、95%CI0.34~0.63、1件の試験、新生児1,030例)および体重が90パーセンタイルを超える新生児の割合(RR 0.55、95%CI 0.30~0.99、3件の試験、新生児223例)が低かった。しかし、GDMに対する治療として経口薬が投与された母体の新生児とインスリンが投与された母体の新生児との間では、上記の割合に統計学的な有意差を認めなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2009.11.16

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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