代謝性アシドーシスの早産児における罹病や死亡を予防するための塩基投与と輸液大量迅速投与

著者の結論: 

代謝性アシドーシスの早産児において、塩基輸注または輸液ボーラス投与が罹病率や死亡率を低下させるかどうかを確定するにはランダム化比較試験からのエビデンスは不十分である。更なる大規模ランダム化試験が必要である。

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背景: 

早産児において初期新生児期における代謝性アシドーシスは有害アウトカムと関連する。代謝性アシドーシスを補正するために最も一般的に用いられる戦略は塩基、例えば、重炭酸ナトリウムの血管内輸注や輸液(通常、晶質液やコロイド液)のボーラス血管内注入である。

目的: 

代謝性アシドーシスの早産児を対象として、塩基輸注と輸液ボーラス投与の死亡率や有害神経発達アウトカムに対する効果を検討した。

検索方法: 

Cochrane Neonatal Review Groupの標準的検索戦略を用いた。これには、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ 2005年第1号)、MEDLINE(1966年から2005年1月まで)、EMBASE(1980年から2005年1月まで)、CINAHL(1982年から2005年1月まで)の検索があった。検索を2010年に更新した。

選択基準: 

代謝性アシドーシスの早産児に対する以下の治療を評価したランダム化比較試験(RCT)または準ランダム化比較試験:1.塩基輸注と無治療の比較2.輸液ボーラス投与と無治療の比較3.塩基輸注と輸液ボーラス投与の比較

データ収集と分析: 

Cochrane Neonatal Review Groupの標準的方法を用いてデータを抽出した。2人のレビューアが別個に試験の質を評価し、データを抽出し、相対リスクとリスク差を用いてデータを合成した。

主な結果: 

適格基準を満たした2件の小規模ランダム化比較試験(Corbet 1977;Dixon 1999)と1件の未発表パイロット試験(Lawn 2005)を見いだした。Corbet (1977)は、乳児に対する重炭酸ナトリウム輸注治療(N=30)と無治療(N=32)を比較し、死亡率[相対リスク(RR)1.39(95%信頼区間0.72~2.67)]や脳室内/脳室周囲出血の発生率[RR 1.24(95%信頼区間0.47~3.28)]に対する効果のエビデンスを見いださなかった。Lawn (2005)の未発表データを追加しても、死亡率に対する効果の総推定値は変わらなかった[typical RR 1.45(95%CI 0.82~2.56)]。Dixon (1999)は重炭酸ナトリウムによる治療(N=16)と輸液ボーラス投与(N=20)を比較した。評価した主要アウトカムは介入後2時間時点の動脈血pH/塩基過剰であった。他の臨床的アウトカムは報告されなかった。長期の神経発達アウトカムを評価した試験はなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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