両眼先天性白内障の外科的介入

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著者の結論: 

両眼が先天性白内障すなわち発育白内障の小児のケアが視軸混濁の発生を減少させるとするエビデンスがある。手術のタイミング、眼内レンズ移植の年齢、および緑内障や網膜剥離などの長期合併症の発生などの問題について、現代医療に情報を提供するためには、ランダム化試験がさらに必要である。

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背景: 

先天性白内障は小児の片眼または両眼の水晶体の混濁であり、手術を必要とする程の重度の視力低下を引き起こす。小児期の視力喪失の原因の中でも白内障は最も治療が可能である。小児白内障は成人の白内障とは異なる難題である。激しい炎症、弱視および後嚢混濁が治療結果に影響することがある。先天性白内障に対して通常検討されている治療法は、水晶体摘出術と水晶体吸引術の2つである。

目的: 

本レビューの目的は、両眼対称性先天性白内障の手術効果を評価することであった。手術によって得られた視力と有害事象により、成功を評価した。

検索戦略: 

Cochrane Eyes and Vision Group Trials Register(2005年Issue 2)が含まれたコクラン・ライブラリのCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE(1966年~2005年6月)、EMBASE(1980年~2005年6月第27週)、LILACS(2005年7月6日)、Science Citation Indexおよびレビューに含まれた研究の文献リストを検索した。また、さらなる研究の詳細を求めて試験実施者とこの分野の専門家に問い合わせた。

選択基準: 

15歳以下の両眼先天性白内障の小児において、1つのタイプの白内障手術を別のタイプの手術または手術をしない場合と比較した、予期されるすべてのランダム化比較試験を本レビューに含めた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアがデータを抽出した。メタアナリシスは実施しなかった。

主な結果: 

4件の試験がレビューに含める基準に合致した。すべての試験は視軸混濁(VAO)の発生の減少に関わるものであった。これは前部硝子体切除術またはoptic capture法を含むテクニックで達成された。年齢の高い小児以外は、後嚢切開術のみでは不十分であった。