乳癌予防のための予防的乳房切除術

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著者の結論: 

前版レビュー以降16件の研究が発表され、これらの研究は我々の結論を変えなかった。発表済みの観察研究は、BPMが乳癌発生と乳癌死のいずれの減少にも有効であることを示したが、より厳密な前向き研究(理想的にはランダム化試験)が必要である。BPMは乳癌リスクが非常に高い人の間でのみ考慮すべきである。CPMが生存率を高めるというエビデンスは不十分であり、複数の交絡変数に対して調整した研究が必要である。

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背景: 

乳癌の遺伝的基礎についての理解の最近の進歩は、乳癌を予防する方法としての予防的乳房切除術(PM)への関心を高めている。

目的: 

(i)乳癌の既往がない女性および片側乳癌の既往がある女性において、予防的乳房切除術があらゆる原因からの死亡率を低下させるか否かを検討し、(ii)予防的乳房切除術の他のエンドポイント(乳癌発生、乳癌死、無病生存、身体的合併症、心理社会アウトカム)に及ぼす影響を検討する。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、2002)、MEDLINEおよびCancerlit(1966~2006年6月)、EMBASE(1974年から2006年6月まで)、および、WHO International Clinical Trials Registry Platform(WHO ICTRP)検索ポータル(2006年6月まで)を検索した。英語で書かれた研究を選択した。

選択基準: 

参加者は少なくとも1つの乳房に乳癌のリスクがある女性であり、介入は乳癌予防目的で施行されるあらゆるタイプの乳房切除術であった。

データ収集と分析: 

少なくとも2人のレビューアが独自にデータを抽出した。データを記述的に要約した。量的メタアナリシスは、試験デザインの異質性と不十分な報告のためにできなかった。データを予防的両側乳房切除術(BPM)と予防的対側乳房切除術(CPM)に対して別個に解析した。

主な結果: 

選択された39件の研究は全ていくらかの方法論的限界を有する観察研究であった。ランダム化試験はなかった。これらの研究は、予防的乳房切除術(PM)を受けた広い範囲の乳癌危険因子を有する女性7,384例に関するデータを提供した。BPMに関する研究では、乳癌発生率や疾患特異的死亡率が特にBRCA1/2変異を有する人でBPM後に低下したと報告した。一方で、CPMに関しては、多くが対側乳癌の発生率低下を一貫して報告したが、疾患特異的生存率の改善については一致していなかった。1件の研究のみが介入群間の複数の相違に対する調整を試みたが、しかし、この研究は15年全生存率がCPM後に改善することを示さなかった。別の研究はCPM後に生存率が有意に改善することを示したが、予防的両側卵巣摘出術に対して調整後、CPMの総死亡率に対する効果はもはや有意でなかった。16件の研究が心理社会的指標を評価した;たいていは、PMを受けるという決断に高い満足度を報告したが、美容的結果に対する満足度はより様々であった。乳癌に対する心配は、BPM後、ベースラインの心配度と比較して、また、BPMよりもサーベイランスを選択した群と比較して有意に軽減した。PM±再建術からの有害事象について報告している症例集積は、予期せぬ再手術率が再建術無施行群における4%から再建術施行群における49%までであることを報告した。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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