合併症のある妊娠女性を対象とした出産前デイケア・ユニットと入院との比較

著者の結論: 

小規模な研究から、母体または児の臨床上のアウトカムに出産前デイケア・ユニットと入院との間で主要な差を認めないが、女性はデイケアを好む傾向が示唆されている。

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背景: 

出産前デイケア・ユニットは、軽度および中等度の高血圧ならびに分娩前の破水を含む妊娠合併症のある女性に対して入院ケアの代替として広く使用されている。

目的: 

本レビューは、母体および周産期のアウトカム、在院期間、許容性、ならびに女性および保健医療サービス提供者に対する費用の観点から、妊娠合併症のある女性に対するデイケア・ユニットを、ルーチンのケアまたは入院と比較することを目的とする。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerを検索した(2009年2月)。

選択基準: 

合併症のある妊娠女性に対するデイケアを入院またはルーチンのケアと比較したランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立にデータを抽出し、バイアスリスクについて研究を評価した。

主な結果: 

計504例の女性を対象とした3件の試験を含めた。大部分のアウトカムは、アウトカムが異なる方法で測定されていたため、メタアナリシスで試験からの結果を統合できなかった。病棟/ルーチン・ケア群の女性と比較して、デイケア・ユニットを受診している女性は1泊入院の可能性が低かった(リスク比0.46、95%信頼区間0.34~0.62)。出産前の平均入院期間はデイケアに受診している女性の方が短かったが、この群では外来受診が増加していた。デイケアを受診している女性は分娩誘発の可能性が有意に低いというエビデンスを示していたが、分娩様式は両群の女性で同様であったという研究が1件あった。その他のアウトカムについては群間で有意差を認めなかった。異なる種類のケアの費用に関するエビデンスは混在していた。すなわち、出産前の在院期間は短縮した一方で、このことが必ずしも保健医療サービス費用の低下にはつながっていなかった。どのケアを受けたかにかかわりなく、ほとんどの女性がケアに満足している傾向がみられたが、女性は入院よりもデイケアを好んだ。

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