片頭痛予防のための鍼療法

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著者の結論: 

本レビューの先の版では、片頭痛予防のための鍼療法を支持するエビデンスは有望ではあるものの不十分であると考えられた。今回、その後追加された12件の試験を合わせると、鍼療法は急性片頭痛発作の治療に限り、またはルーチン・ケアに追加的な利益があることを示す一貫したエビデンスがある。偽介入を上回る「真の」鍼療法の効果を示すエビデンスはないが、この解釈については、正確な経穴部位の重要性が限られていることから難しい。入手可能な研究から、鍼療法は予防的薬物投与と少なくとも同程度に有効であり、おそらくはそれ以上に有効である可能性があり、有害作用はより少ないことが示唆されている。鍼療法は、進んで本治療を望んでいる患者のための治療選択肢として考慮すべきである。

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背景: 

鍼療法は片頭痛予防のためにしばしば使用されるが、その有効性については依然として議論の的である。本レビューは(対をなすレビュー「緊張性頭痛に対する鍼療法」とともに)コクラン・ライブラリの2001年第1号で最初に発表されたコクラン・レビューの改訂版である。

目的: 

鍼療法がa)無予防的治療/ルーチンのケアのみよりも有効であるかどうか、b)「偽」(プラセボ)鍼療法よりも有効であるかどうか、c)片頭痛患者の頭痛頻度を減少するうえで、その他の介入と同程度に有効であるかどうかを調べる。

検索戦略: 

Cochrane Pain, Palliative & Supportive Care Trials Register、CENTRAL、MEDLINE、EMBASEおよびCochrane Complementary Medicine Field Trials Registerを2008年1月まで検索した。

選択基準: 

片頭痛患者を対象に、鍼療法介入の臨床効果をコントロール(無予防的治療またはルーチンのケアのみ)、偽鍼療法の介入または別の介入と比較し、ランダム化後の観察期間が8週間以上のランダム化試験を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが適格性を確認し、患者、介入、方法と結果に関する情報を抽出し、バイアス・リスクと鍼療法介入の質を評価した。抽出したアウトカムには、反応(主要な関心のあるアウトカム)、片頭痛発作、片頭痛日数、頭痛日数、鎮痛薬の使用があった。ランダム効果モデルを用いて統合した効果サイズ推定値を計算した。

主な結果: 

4419例の参加者(平均201例、中央値42例、範囲27例~1715例)を対象とした22件の試験が選択基準に適合した。6件の試験(401例および1715例の患者を対象とした2件の大規模試験を含む)は、鍼療法を無予防的治療またはルーチンのケアのみと比較していた。鍼療法を受けた患者の方が3、4ヵ月後の反応率は高く、頭痛が少なかった。長期間追跡した唯一の研究では、治療中止から9ヵ月後までに効果がなくなることを示すエビデンスはなかった。14件の試験は「真の」鍼療法の介入を様々な偽介入と比較していた。統合的な解析から、いずれの観察期間およびアウトカムについても真の鍼療法に統計学的に有意な優位性は示されなかったが、個々の試験の結果はかなりの変動があった。4件の試験では、鍼療法をすでに証明されている予防的薬物投与と比較していた。全般的に、これらの試験での鍼療法は予防的薬物投与よりもわずかに良好なアウトカムがみられ、有害作用も少なかった。鍼療法をリラクセーション(単独またはマッサージとの併用)と比較していた2件の小規模で質の低い研究については、信頼性のある解釈はできなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2009.5.13

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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