腰痛に対する非ステロイド性抗炎症薬

著者の結論: 

本レビューに含めた65件の試験のエビデンスから、NSAIDが坐骨神経痛を伴わない急性および慢性腰痛患者の短期的症状緩和に有効であることが示唆される。しかし、効果サイズは小さい。さらに、NSAIDで他と比較して明らかに有効な特定種類のNSAIDはないように思われる。本レビューに含めたRCTおいて選択的COX-2阻害薬は従来のNSAIDと比較して副作用が少なかった。しかし、最近の研究から、COX-2阻害薬が特定の患者集団で心血管系リスクを上昇させることが示されている。

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背景: 

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、世界的に最も頻回に処方されている薬剤であり、腰痛患者に対して広く使用されている。選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)阻害薬が現在使用可能であり、腰痛患者に使用されている。

目的: 

本レビューは、NSAIDおよびCOX-2阻害薬の非特異的腰痛の治療効果を評価し、どの種類のNSAIDが最も有効であるかを評価することを目的とした。

検索戦略: 

英語、オランダ語またはドイツ語で報告された2007年6月を含め、それ以前のMEDLINEとEMBASEのデータベースおよびCochrane Central Register of Controlled Trialsを検索した。関連性のあるレビューと同定した試験に記載された参照文献もスクリーニングした。

選択基準: 

坐骨神経痛を伴う、または伴わない非特異的腰痛に対するNSAIDのランダム化試験および二重盲検比較試験を含めた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自にデータを抽出し、方法論の質を評価した。臨床的な関連性についてもすべての研究を評価し、さらなる解釈や結論は引き出せなかった。データが臨床的に均質であると考えられる場合は、メタアナリシスを行った。臨床的に均質な試験でデータがない場合には、4段階レベルのエビデンス(強固、中等度、限定的、エビデンスなし)によって、評価システムを用いて定性分析を行った。

主な結果: 

計65件の試験(患者総数11,237例)を本レビューに含めた。28件の試験(42%)は質が高いと考えられた。プラセボに比較してNSAIDに統計学的に有意な効果が認められたが、その代償に副作用が統計学的に有意に多かった。急性腰痛については、NSAIDはパラセタモールよりも有効であるとはいえないとする中等度のエビデンスがある。副作用はパラセタモールの方が少なかった。急性腰痛についても、NSAIDはその他の薬剤よりも有効であるとはいえないことを示す中等度のエビデンスがある。COX-2 NSAIDを含む様々な種類のNSAIDは、急性腰痛に同程度に有効であるとする強固なエビデンスがある。COX-2 NSAIDは、従来のNSAIDと比べて統計学的に有意に副作用が少なかった。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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